デジ教研Meeting01レポート

提供: みんなのデジタル教科書教育研究会



「自分で作るから未来がある」名言続出!白熱した議論に

〜 デジ教研 Meeting 01 in Tokyo 〜



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デジ教研初のオフ会「デジ教研Meeting 01 in Tokyo」が 12月4日(土)に都内で開催され、大学教員から主婦まで総勢20名が参加しました。

片山先生の熱のこもったプレゼンテーションで始まった会議は、大学教員、開発者、学校の先生、社会人などバックボーンも関わりも異なる様々なメンバーの想いが交錯する白熱の議論が展開されました。それを、主催者の水沼さんが見事なファシリテーションでまとめて行き、様々な名言が引き出されました。


Ⅰ.デジタル教科書で何がしたいのか、何ができるのか?

まずは認識合わせのディスカッション。デジタル教科書に対するそれぞれの想いが展開されました。


眞壁さん:「アウトプットが出来る人材を育てる、そのための教育を考えるべき。」

                「評価する仕組みにもデジタル教科書を利用すべき。」


始まって早々、大学教員の眞壁さんから結論のような意見が飛び出し、圧倒される。そうか、テストや試験もデジタル教科書を利用するんだ!プレゼンに使う?テストに使う?考えただけでワクワクします!


愛宕さん:「テキストだって、デジタルでしょ?」


この発言で切り込んで来たのは、今回のデモ機「amethyst」開発者の愛宕さん。「デジタル教科書」というネーミングへの違和感は、デジタル畑の人は誰もが持っているもののようですね。ということで、本レポートではこれ以降「電子教科書」としておきます。


愛宕さん:「今の『授業というシステム』を定義しないと理想のシステムも定義できない。」


うーん、元システム屋の私としてもすごく理解できる意見。今の授業がどんなものか、システム定義書があったら話は早い。ただ、こればかりは十人十色、出たとこ勝負、システム定義できないからこそ難しい。


片山さん:「電子教科書の導入によって授業スタイルを変えるのは難しい。」


出来ない事をはっきりさせる事も重要。そう、おそらく教科書が電子化しても「教師から生徒へ伝えて行く」という基本的な授業スタイルは変わらない。でも、新しい授業スタイルが加わったり、無くなる事も出てくるはず。そこにプラスの効果があると期待したいのです。


大関さん:「電子教科書ならおはじきを出し入れする時間を省ける」


今回、片山先生以外に唯一の現役小学校教諭である大関さんからの貴重なご意見。これが一番大きな効果かも!?あの小さいおはじき全てに名前を書く親も大変なんですよ・・

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2.電子教科書の利用シーンと必要な機能

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続いて「利用シーン」と「機能」についてのディスカッション。

より具体的な議論にするため「小学校」の「授業」での利用に限定する事に。 まずは、現場の先生に困っている事を聞いてみた。


片山さん:「家庭科で、ミシンの糸がどうしても絡まる。」


切実だ・・私が行って教えてあげたい・・でも学校のミシン古そうだから、私がやっても絡まるかも。


永田さん:「先生は自営業の社長みたいなもの。誰も教えてくれない。」


非常勤講師1年目の永田さんからの発言は衝撃的。孤独だ・・教壇に立つって大変なんだ・・自分以外に頼れる存在があると心強いのでしょうね。

現場の先生方は、先生をサポートするツールとして電子教科書に期待している部分が大きいようでした。

その後、話は「NICER」の話題から学力格差についての議論に。


井上さん:「かゆいところに手が届く教育を。」


高校教諭の井上さん、生徒それぞれの学力に合わせた授業をする事が学力向上に繋がる、それが出来るのが電子教科書の強みとの発言。そう、それはそうなのですが・・・


大山:「家庭で活用できるものでなければ意味がない。」


私の発言でさらに話を脱線させてしまいました・・40人クラスに先生1人(補助入れて2人)で電子教科書を導入したところで、かゆいところに手は届かない。ならば家庭でサポートするしかない。学校と家庭はもっと連携して子供の教育に取り組むべき。それを可能にするのは電子教科書。授業で使う事ばかり世の中では取り上げられていますが、それだけでは大して変わらないというのが私の持論なのです。(ここだけ長々すみません。)


橋本さん:「先生は電子教科書に危機感を持って欲しい。」


子供を守る親として、痛烈な発言をされた橋本さん。危機感を持たれるようなツールになると良いですね。

その後無事話は戻って、具体的に教科毎の利用シーンや欲しい機能などの意見が出され、様々なイメージを共有する事が出来ました。

3.ハード、ソフトのデモンストレーション

そしていよいよ、メインの「amethyst」試作機のデモンストレーション。具体的な仕様を確定するために、率直な感想を聞きたいという水沼さん。


水沼さん:「日本発、現場発の独自開発の電子教科書を作りたい。」


そんな熱い想いを語りながら、電子ペーパー型とタブレットPC型の試作機デモをして下さいました。

電子ペーパーなのか液晶パネルなのか、抵抗膜方式なのか静電容量方式なのか、強度は?画面数は?消費電力は?様々な意見や質問が飛び交い、具体的な利用シーンや現場の課題なども想像しながらのデモでしたが、やはりまだまだ意見はまとまる段階ではなく、ハードウェアの具体的な仕様を固めるにはさらなる議論が必要、そんな認識を共有できた事が大きな収穫だったのではないでしょうか。

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タブレットPC型試作機
電子書籍型試作機



デジ教研初のオフ会となった「デジ教研Meeting01 in Tokyo」は、様々な立場の方々がそれぞれの熱い想いを持って参加している会である事を全体で共有できた、とても有意義な会議でした。子供達にわくわくするような素晴らしい電子教科書を手渡す日まで、この会でさらなる議論と具体的なアウトプットが出来るよう、今後も活発な活動を続けて行きたいと思います!

(レポーター:大山直子【主婦】)

※実際にUstream配信した会議の様子をこちらから動画でご覧いただけます。
※会議の議事録はファイル:デジ教研MTG01議事録.xls

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