デジタル教科書100のQ&A

提供: みんなのデジタル教科書教育研究会

目次

Q01:デジタル教科書ってなんですか?

今の教科書は、紙でできていますね。

「デジタル教科書」は、例えば「電子書籍端末のようなデバイスの中に全教科の教科書が入って いるもの」と考えると分かりやすいでしょう。

それは、子どもたちが一人一台ずつもって使用することが想定されています。

画像や、音声、動画など、マルチメディア資料を豊富にいれることで、紙の教科書よりも、より 理解しやすくなることが期待されているのです。



Q02 教師用と子供用があるのですか?

文部科学省の分け方では、「指導者用デジタル教科書」と「学習者用デジタル教科書」に分けら れています。

「指導者用デジタル教科書」は、すでに販売されています。ただ、それは、「指導書」として販 売されており、公的には「教科書」とは認められていません。教科書をFlashや動画を用 いて、動かしたり、書きこんだり、参考動画を見たりすることができ、電子黒板に投影して使用 します。


ここで、議論にしたい「デジタル教科書」は、子ども一人一人に配布されるデバイスに入った教 科書のことで、文部科学省の言う「学習者用デジタル教科書」のことです。



Q03 なぜ最近急に話題になったのですか?

2009年11月、当時の原口総務大臣が、原口ビジョンとして「一人一台のデジタル教科書の 導入」に言及し、期待が高まったからです。さらに、技術の進歩によって、iPadを始めとした スレート型PCや電子書籍端末が急激に普及してきたことも一因であると思われます。




Q05 フューチャースクールってなんですか?

2010年に総務省で始めた、デジタル教科書の実証研究を行う事業です。東西合わせて10校 のモデル校で、一人一台のタブレットPCをもたせ、デジタル教科書の可能性を探っています。2 009年11月の事業仕分けの再仕分けで、「廃止」の判定を受け、マスコミにも取り上げられ るなど話題となりました。



Q06 「フューチャースクール」は、どうして仕分けされてしまったのですか?

前回の仕分け(第二弾)において「ICT利活用型教育の確立支援事業」に対して廃止という結論が 出ており,その時の注文として「将来ビジョンを提示せよ」「文科省を主導とせよ」と提示され たにもかかわらず,今回の仕分け時にもこれらの項目に対する改善が見られなかったという理由 です。 マスコミには「ゾンビ事業」として取り上げられ、盛田政務官が、「事業仕分けを辞めるべき」 と発言した映像が多く取り上げられました。
総務省としては、 ・文科省のみの「教育の情報化」では,導入の規模や技術力として不十分. ・文科省のみの「教育の情報化」では,社会の情報化のスピードに対して不十分. という認識を持っているようです。 文科省との協調をはかる時間を取らずに,再度総務省主導のプロジェクトとしてなぜ提示したか という経緯を,現状の学校教育が抱える問題とつなげて考える必要があると思います。



Q07 DiTTってなんですか?

デジタル教科書教材協議会の略称です。「全ての小中学生がデジタル教科書・教材を持つ環境を 整える」「その実現を図るためのコンソーシアムを形成し、課題整理、政策提言、ハード・ソフ ト開発、実証実験、普及啓発を進める」の2つを目標と掲げています。2010年11月18日現在107の 企業が所属しています。
会長は、元東京大学総長の小宮山宏氏。副会長は、立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男氏 東京学芸大学客員教授の藤原和博氏、慶應義塾大学メディアデザイン研究科教授の中村 伊知哉氏が務めています。
学校や、研究者というよりも、企業が中心になっています。 詳しくは、以下のHPを参照してください。

デジタル教科書教材協議会 http://ditt.jp/



Q08 文部科学省はどう考えているのですか?

「教育の情報化ビジョン」の中で、2020年をめどに研究が始められてはいます。 ただ、環境をどう整備するか,ということに関して積極的に文科省自らがコミットするような動 きは,目立って見えていません。まず先に「これこれこういう教育をしたいから,こういう環境 が必要だ」という流れのスタンスを取っていると言えるでしょう.これは最近平成22年10月 29日に出た「教育の情報化に関する手引 」(www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1259413.htm)にも出ており、

・教科指導でどう活用するか
・情報活用能力をどう育てるか

・校務の情報科をどうするか

・教員の資質をどうするか

という章を経てから

・学校のICT環境整備をどうするか

という流れになっています。

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